とある精神療法についての動画を見ていると、カウンセラーにとっては辛辣な内容が語られていました。
内容をざっくり説明すると、精神分析や認知行動療法などをまとめて精神療法(心理療法)と言いますが、カウンセラーが思っているほど効果があるわけではないということです。「受けないより、受けた方が良い」ぐらいのようです。
即効性があるとか、「これを受けていれば無敵」というのは考えすぎだということです。
私やカウンセラーに限らず、誰しも自分の考えや気持ちは正しいと思いやすいので、カウンセラー自身もカウンセリングや精神療法を「とても効果的だ」と考えるのは、自然なことだと思います。
ですが、効果がないのに効果的だと謳うのは、倫理的にも、法律的にもおかしいので、そこは現実を受け入れるしかないですね。
私自身、カウンセリングの効果は、学生が通う塾をイメージしてもらったら、分かりやすいと思っています。
勉強の習慣が身についていない学生にとって、塾に通わないよりは、通った方が勉強の習慣が身につきやすいと思います。
ですが、すぐさま成績があがったり、家でも勉強するようになるとは言い切れません。
カウンセリングも同じで、カウンセリングを受けた方が、受けないときより気持ちの整理はつきやすいです。
しかし、すぐに気持ちの整理がついたり、セルフモニタリング力が上がるかと言えば、そんなことは無いです。
認知行動療法では、ホームワークを出して、相談者にセルフモニタリング力をつけてもらいますが、ホームワークをやるためには、認知行動療法の力というより相談者の力が必要かなと思います。
ただし、カウンセラーは、相談者が最大限力を発揮できるように工夫しなければならないので、相談者が発揮できないのでしたら、それはカウンセラーの責任です。
先ほど上げた研究はあくまで、統計を使った平均的な傾向になります。
中には、驚くほど効果を上げているカウンセラーもいらっしゃるので、そういう外れ値的なカウンセラーになれるように努力したいと思います。
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