あいさつ

心理カウンセラーのえんじょうじです。
みなさんは、中年期ってどのようなイメージでしょうか。
働き盛り、お肌の曲がり角、若くもなく歳でもない…などなど。
子どもや高齢者は、社会的に弱い立場です。直感的に分かります。
裏を返せば、周囲からサポートを受けやすいとも言えます。
ところが、中年期はどうでしょうか。
中年期は、40歳から64歳は指します。
この中年期。実は、心理的に危険な時期と言われることがあります。
どちらかと言えば子どもや高齢者の話題の陰になりやすい中年期。
今回は、中年期に注目してお話ししようと思います。
中年期危機

中年期危機という言葉を聞いたことはありますか?
英語では、Midlife crisis(ミドルライフ・クライシス)と呼ばれたりします。
この言葉を調べてみると、
中年期に入ると…自身の親の介護や看取りといった問題が出てくる時期でもあり、アイデンティティの危機に陥りやすい時期である。こうした中年期特有の心理的危機のことや、それに伴い中年が陥りやすいうつ病や不安障害などをあわせて中年期危機と呼ぶ。
外山美樹 (2018) 誕生から死に至るまでの生涯における発達と各発達段階の特徴 福島哲夫 (編) 公認心理師必携テキスト 学研 pp.257
と書かれていました。
中年期に入ると、親や子どもの問題が気掛かりになり、ちょうど板挟み状態になる人が多いです。さらに、肩こりや腰痛、生活習慣病など自分自身の健康状態の問題も出てきます。
今まで周囲と自分の価値観、考え方がかみ合っていたのに、上手くかみ合わなくなる時期でもあります。
また、女性に多いのは更年期障害です。
更年期障害によって、気分に変調を来してしまいます。
親や子どもの問題、自分の健康状態などから、最終的にうつ病や不安障害といった気分の病気に罹ったり、最悪の場合は自殺に至ることもあります。
それでは、実際の統計を見ようと思います。
うつ病など気分の病気に罹りやすい年齢は?

下の棒グラフをご覧ください。

これは、2017年に厚生労働省が、さまざまな病気に罹っている患者数を調べたものです。
縦軸が人数で、横軸が年代になります。
やや年齢の幅はありますが、気分の病気に罹っている多い年代が35~64歳でした。
その数は、6万700人です。
一方、一番少ない年代は0~14歳の300人でした。
65歳以上の高齢者が約4万なので、高齢者と比べても、圧倒的に中年期の人たちの方が、うつ病などの気分の病気に罹りやすいことが推測されます。
自殺が多い年齢は?

下の折れ線グラフをご覧ください。
こちらは、警視庁が自殺者の年齢階級に分けて、グラフにしたものです。

いつの年代も水色の線、つまり50~59歳の自殺者が多いと分かります。
令和3年をみると、2番目に多い年齢が20~29歳、3番目に多い年齢が40~49歳でした。
自殺に関しても、中年期の人たちの多さが目立ちます。
中年期は、色々な問題を抱えやすい一方で、誰にも相談できず一人で抱え込んでしまうのかもしれません。
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