以前までは、「認知の歪み」と言われていましたが、最近は「非機能的認知」と言われるようになりました。
色々な種類がありますので、自分はどれをよく使うか検討してみてください。
いくつも種類があるので、どちらか迷う場合があります。
ここで大切なのは、はっきり区別することではありません。
「自分はどんな非機能的認知を使っているんだろう」と考えることが大切です。
根拠のない決めつけ
根拠が少ないままに思いつきを信じ込むことです。
例:はじめて手がけた仕事がうまく進まないときに、この仕事はうまくいかないだろうとすぐに決めつけてしまいます。
白黒思考
あいまいな状態に耐えられず、ものごとをすべて白か黒かという極端な考え方でわりきろうとすることです。
例:なんでも完全にできていないと気になってしまいます。
部分的焦点づけ
自分が着目していることだけに目を向け、短絡的に結論づけることです。
例:ある人に苦手意識をもっていると、行き会ったときに挨拶をされなかったという事実に目を向いて、やはり嫌われていると考えてしまいます。
過大評価・過小評価
自分が関心のあることは拡大してとらえ、反対に自分の考えや予想に合わない部分はことさらに小さく見ることもあります。
例:退陣交渉が下手だと思っているために、上手に交渉できなかったときのことばかりを思い出して、上手くいったときのことは忘れてしまいます。
べき思考
「こうするべきだ」「あのようにすべきではなかった」と過去のことをあれこれ思い出して悔んだり、自分の行動を自分で制限して自分を責めることです。
例:家事が十分にできない自分を見て「主婦なら家事を完璧にするべきだ」と責めます。
極端な一般化
少数の事実を取り上げ、全てのことが同様の結果になるだろうと結論づけてしまいます。
例:一つのあるプロジェクトが思ったように進まないときに、過去の失敗を思い出して、自分はいつも失敗すると考えます。
自己関連づけ
何か悪いことが起きると、自分のせいで起こったのだと自分を責めてしまいます。
例:子どもが格好で問題を起こして担任から注意を受けたときに、すべて自分の育て方が悪かったんだと自分を責めます。
情緒的な理由づけ
その時の自分の感情に基づいて、現実を判断してしまいます。
例:新しい仕事についたときに不安を感じると、「はじめてでよくわからないから不安なんだ」とは思わずに「こんなに不安なんだから、自分にはできないほど難しい仕事に違いない」と思い込んでしまうのです。
自分で実現してしまう予言
自分で否定的予測を立てて自分の行動を制限してしまい、自分の行動を制限するものだから、予測通り失敗してしまう。その結果、否定的な予測をますます信じ込み、悪循環に陥ってしまいます。
例:人前で話そうとすると声が震えるのではないかと心配しているために、いざ実際に人前で話すことになると、失敗することばかり考えて意識過剰になり声が震えてしまって、結局やはりそうだったと考えます。
引用:大野裕 (2003) こころが晴れるノート 創元社
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