CBTアセスメントシート記入のポイント

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CBTアセスメントシートの書き方が分からなくなった場合、本記事を参考にしてください。

ここでは、上司に指摘されて、凹んでしまった部下のやり取りを例に挙げて、記入のポイントを解説します。

きっかけ

「きっかけ」は、具体的かつ、客観的に書きます。

自分の「考え」や「行動」と、「きっかけ」を区別するために、具体的かつ、客観的に書きます。

ネガティブな気分にしたり、ポジティブな気分にするのは、自分の「考え」や「行動」です。

「きっかけ」は、あくまで「きっかけ」であることを意識します。

NG

上司に怒られた。

「上司」だけでなく、氏名まで具体的に書きます。

「上司」のみだと、再度アセスメントシートを見直したときに、思い出すのに時間が掛かるかもしれません。

ここで「怒られた」とありますが、この後に説明する「考え」になります。

「怒られた」をより客観的な表現として「言われた」「指摘された」と記述した方が良いです。

さらに、どのように言われたのかも具体的に記述します。

OK

○月○日、10:00に職場で、上司のAさんに「ここ間違っているから、修正して」と言われた。

日時や場所を書き、言われた内容も記述すると、より具体的になります。

気分

CBTアセスメントシートに書き慣れていない方は、ここの項目から書いていくと楽です。

気分とは、憂うつ、不安、罪悪感、怒り、イライラなど、一言で表現できるものになります。

生じた気分は、一つだけでなく、全て記入していきます。

気分の強さも、100点満点で記述します。

NG

嫌な気持ちだった。 80点
意味が分かんない!! 90点

慣れていない方に、よく見られる書き方です。

上記に内容は、全て後述する「考え」になります。

気分とは、一言で言い表されるものになります。

OK

憂うつ 80点
怒り 90点

点数を書くことで、その瞬間にどのような気分がどのくらい占めていたのか分かります。

このように点数を付け、自分の気分を把握することで、気分に振り回されにくくなります。

慣れてくると、その場で点数を付けられるようになります。

考え

考えは、自動思考とも言われてます。

頭の中で、「自動的に」思い浮かぶ考えなので、「自動思考」です。

誰でも自動思考が生じています。

夕食の時間になって、「今日何を食べようかな」とふと考えるのも「自動思考」です。

何気なく、毎日生じているものなので、最初は意識することが大切です。

「 」を使って記述していきます。

NG

「ネガティブなこと」を考えた。
「明日の仕事のこと」を考えた。

いくつもの考えをまとめて書いたり、抽象的に書いてしまうと、分かりにくくなります。

ここでは、実際に考えたことを具体的に書きます。

OK

「俺って、ダメな奴だなぁ」
「明日、出勤しても、また上司に怒られるのかなぁ」

このぐらい具体的に書きます。

余談:「考え」と「気分」を区別する理由

「考え」や「気分」は、日本語では「気持ち」として表現され、明確に区別されてきませんでした。

しかし、脳科学の発展に伴い、「考え」は大脳新皮質、「気分」は大脳辺縁系で生じることが分かってきました。

大脳新皮質で生じる「考え」は、人間の理性と言われるようにある程度コントロールしやすいです。

一方、大脳辺縁系で生じる「気分」は、生物が生きていく上で必要な、基本的に備わっているものなのでコントロールが難しいです。

このコントロールしやすい「考え」と、コントロールしにくい「気分」を混ぜてしまうと、とてもコントロールしにくくなるので、しっかり区別します。

行動

「行動」とは、「きっかけ」が起こったときの行動や、態度になります。

上司に「『ここ間違っているから、修正して』と言われた。」という場面を例にとってみます。

OK

「はい、申し訳ございません」と言った。

このように、その瞬間に取った行動を書いていきます。

「行動」に関しては、皆さん理解しやすく、書きやすいようです。

身体の反応

ここは、身体の反応を記述します。

ここの部分は、思い出せない人が多いです。

思い出せない時は、無理に思い出さなくても大丈夫です。

OK

冷や汗
心臓がドキドキ

対処方法(痛み止め)

ここは、上述した「きっかけ―考え・行動・気分・身体の反応」によって、生じる苦痛を和らげるためにしている方法を書きます。

OK

飲酒
友人に愚痴を言う。

あまり周囲から褒められるものでないと思った対処方法でも、しっかり書いていきます。

取り組み始めで、よくある落とし穴

恥ずかしさを感じる

私の場合、自分自身にもCBTアセスメントシートをよく使うので、この感覚を忘れてしまったのですが、取り組み始めたばかりの人は、恥ずかしさを感じる人もいるようです。

カウンセラーにシートを見せたり、改めて自分の状態を客観的に見ることで、恥ずかしさを感じるようです。

これの克服方法は、慣れです。

人前で立ってしゃべるのに恥ずかしさを覚えていたが、何度も人前に立ってしゃべるとあまり恥ずかしさを感じなくなるのと一緒です。

大変そう

最初は、どのように書いていけばよいか分からないので、大変に感じる方も多いです。

これも慣れです。

初めてチャレンジする体験は、どれも「大変そう」と考えてします。

CBTアセスメントシートも、続けていくうちに慣れていきます。

もし、一向に慣れない場合は、カウンセラーに相談してください。

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